終わりをしらせるみたいに、島の生き物が鳴いていた。泣いていたのかもしれない。いままで無口だったそいつが声をだすのは、それが初めてだったのだから。もう一度逢えたらいいね、なんて願いはどの口裂けて言えるのかな。輪廻転生などはなから信じちゃいないくせに白々しい台詞をはけるのはどうして?

 それから生き物が息継ぎをして、もういちど鳴き声をあげてもお互いになにも言わなかった。わかっていたよ、言えなかったんだね。自分もそうだったから。君と、僕が二人いたのに、どうしてうまくいかなかったんだろうと泣いたね。肩にふれて抱きしめることもできずにいつまでも時間にゆるされるかぎり、泣いたね。


 君とおなじく、輪廻転生などはなから信じちゃいない僕だけど、もしも生まれ変わることができたならもうおたがい出会わないでおこうか。街やどこかで会ってしまっても、知らないふりをしようよ。君も僕も、いまみたいにたくさんたくさん傷つくのはもうたくさんだからね。