少女の名前はシャルロッテ。身体の名前もシャルロッテ。おとなしくて引っ込み思案。時折弱気。お姫様が幸せになる物語を好む。日にいくつもの本を読む、読書好き。
 もうひとりはシャルロット。シャルロッテより少し年下。わがままできかんぼう。口が悪くて攻撃的。甘いお菓子が大好きで、目の前にすると胃袋は底なしである。パパを求めて深夜に歩き回ることがある。
 もうひとりはシャルロッタ。シャルロッテよりも年上で、イギリス訛りで話す。性的虐待の記憶を有している。シャルロッテの脳の中から、いつも世界を遠くから見つめている。痛みを感じていないようである。



 後他に確認されたのは、シャーリー、ジアロル、リズ、ティンクの四人。名前を明かさない者や、わからない者もいる。(困ったことに、いたずら心から二人を演じる者がいる。よって、正式な人数は確認できない)その中で、ジアロルの盗癖や、シャーリーの癇癪は十分に用心すべきである。



 何人ものシャルロッテはカウンセリングのあといつも口にしている。

(わたしは、いったいだれなの)(そして、なに?)