愛と希望のそとで、私は自らを見下ろしている。


 今日はお休み。少しだけ早起きをして、顔を洗う。目が覚めたらハーブのお風呂を沸かして、鼻歌を歌いながら香る湯につかる。パパとママが起きてしまうから、シャワーの音は静かに。

 愛と希望のそとで、私は自らを見下ろしている。


 焼きたてのパンにはちみつを塗る。甘い香り。パンはさくさくしている。外は雲ひとつない。胸がすくような快晴。せっかくのお休みだけど、こんな日はお出かけしてもいい。あまったパンにクラッシュエッグやトマト、レタスとかはさんで、サンドウィッチを作ってそれをお弁当にしよう。こんなに気分のいい朝だから、私は名前もつかない場所へと出掛けてもいい。

 愛と希望のそとで、私は自らを見下ろしている。


 私の庭にはママが大切に育てた薔薇。無数のとげが花を守っているから、さわると怪我をするとよく言われていた。それでも私は薔薇がほしくて、手を傷つけては泣いてた。快晴の空と、その思い出を横切る。手にはランチバスケットがあって、私は歌をうたっていて、これが幸せなんだと、
みのほどしらずな夢をみる。












 愛と希望の外で、私は自らを見下ろしている。
幸せには果てがないって、信じてみたりする夢をみる。もうそろそろゆるせなくなりそう、浅はかな私のこと。こんなささやかだけど愚かな夢を、抱いていた私を。