君の隣じゃ眠れないと言われて、それから、あなたの目の下に、うっすら、それでいてくっきりと、黒いあざのようなものが浮かんでいるのは、私のせいだったとその時に気づいた。

 私の抱える陰湿さや狂気や暗闇は誰にも影響しないものだと私は信じていた。しかしあなたと私は他人にしては、あまりに近づきすぎていた。そして私はナイフのように、冷たさを身にまとう凶器のように、あなたを傷つけえぐりつづけた。信じがたいほどのあなたの優しさに私は甘えた。奪って、縛って、私のものになるように。私だけのものって言えるようなものになるように、あなたを染めて彩ろうとしていた。


(もう、離れるしかないの?)




 この手を、離すしかないの? 侵食しあって結合してしまったかのようなこの手を、切り落とせと言うの? ああでも、私はあなたに傷ついて欲しくない。(嘘だ。本当は傷つけたかった。私の傷と同じものがあなたにも有ることを常に求めてた)
 こうしている今も私は彼の不眠症を誘発し続けていて、私は身体を切り刻むよりも深い申し訳なさに泣いて、それでも私は凶器だから、あなたを傷つけるために居るから、



 だ
       か 




     ら
         わ

 た   し



               は


                ?    ?   ?   ?